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1レコードの価値

ビッグデータというバズワードが囁かれ早幾数年がたち、どの企業でも当たり前に数十億数百億数千億というデータを扱える時代になりました。

その一方で、Garbage in, Garbage outのように使えないデータを集めても意味がないみたいな話もあります。

プラットフォームのサポートをしていると、様々な顧客がいて、当たり前のように巨大なログデータや顧客データを扱い、そうした顧客の複雑な問題やクエリの書き方のような初歩的な質問だったりを解決してきました。 問題を日々解決していると、たまにマンネリになるときもあり、回答が雑になってしまいそうなときもあります。

しかし、そんなときはいつもとある顧客のプレゼンを思い出し、顧客が問題を解決しデータをちゃんと使えるようになることで生まれるデータの価値を考え、気を引き締めてサポートしています。

その顧客のプレゼンとは、2018年のPlazmaのイベントで登壇されたベネッセのプレゼンです。

お子さんをお持ちの方は買ったことがあるかもしれませんが、たまごクラブやひよこクラブといった妊娠・出産・育児に関わる雑誌やオンラインサービスをベネッセは提供しています。 そのビジネスでは、これから子供を持つ家族や子育てに苦労している家族に向けて、子供にまつわるイベントのタイムリーな情報を自社データを活用してマーケティング活動をしています。

これだけだとマーケティングのデータ活用という話で終わってしまうのですが、プレゼンの最後に伝えていたメッセージがとても印象的でした。

「10.6」

この数字は、2016年の妊娠12週以降の1000母体に対する死産数を表しています。つまり、1000人の妊婦に出産にまつわる広告やEメールを送付した時に、そのうちの10人は子供を授かることができない・できなかった妊婦である可能性を示唆しています。死産を経験し、辛い気持ちになっている家族に対して、赤ちゃんや出産についての情報を見てしまうことがどれほど辛い気持ちになるのかは、想像もつきません。こうした話を通して、データの向こう側に人がいることを意識することが大事というメッセージを伝えていました。

マーケティング活動を通してユーザに意図せずショックを与えてしまうことは可能性としてあり、こうした不幸を防ぐためには様々な取り組みが必要で、その取り組みの中か生まれた情報はもしかしたらたった1レコードで表されるものなのかもしれません。 集計ミスや記述ミスでその1レコードが適切に処理できず、誰かを傷つけるマーケティング活動が行われる可能性があるかもしれません。

数千億件も数兆件もレコードがあると、1レコードの価値がなんとなく小さくみえるときがあります。しかし、この話を思い出し、その1レコードはこの世界にいる誰かによって生み出された大切なデータで、データの価値は数ではなく、そのレコードに込められた想いや質が重要なのだと思います。

この話は特徴的なものかもしれませんが、データを扱う全ての企業は、1レコード1レコードを通して自分たちの顧客のことを考え、そしてビジネスを通して顧客を幸せにするために取り組んでいると思っています。 だからこそデータを扱うプラットフォームというサービスはやりがいがあり、そして、そこで働く一人として1レコード1レコードに対して真摯に向き合っていく必要があり、そういうサポートであり続けたいですね。

最後に

そんな風にデータに真摯に向き合い、データを元に顧客をサポートするCustomer Reliability Engineerというポジションを募集していますので、ご興味がある方はぜひ Toru Takahashi (@nora96o) | Twitterまでお声がけください。

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