トレジャーデータでは、TREASURE CDPというサービスを2017年から提供しています。
広告/マーケティング/CRMの領域を含む様々な顧客データを統合するカスタマー・データ・プラットフォーム(CDP)の提供を開始 - Treasure Data
日本国内では、CDP (Customer Data Platform)という名前を利用しているサービスとしては、トレジャーデータが一番有名なのではないかなと思いたいところですが、グローバルでみたときには多くの企業がCDPという名前を使ったサービスの展開をし始めてきています。
こうした状況を見ると、ひと昔前のビッグデータ, AIといった言葉と同じようにCDPという名前もバズワード化し始めているようにも思えます。 さて今回から何回かに分けて、CDPの成り立ちや様々な企業がどういう立ち位置でCDPを名乗っているのかを紹介する記事を書いていきたいと思います。CDPを取り巻く世界を理解することで、CDPを正しく理解し、自分たちがCDPのプロジェクトとして何を解決したいのかということを整理できるようにし、自分たちに合ったプロダクトをチョイスできるようにする手助けになると幸いです。
CDPの成り立ち
そもそもCustomer Data Platformというコンセプトはいつ誰が提唱したのでしょうか? これはDavid Raabさんというマーケティングのコンサルタントが2013年に下記記事でCDPについて言及し、そしてMarketing Technologyの界隈で発展していきました。
customerexperiencematrix.blogspot.com
これは、デジタルマーケティングの世界で、データとコミュニケーションチャネルのサイロ化という問題を抱えており、顧客のことを理解した適切なマーケティングの意思決定ができないという課題があったためです。 多くの企業では、顧客との複数のコミュニケーションチャネルがあり、そのチャネルを管理するためのサービスが別々で使われており、さらに複数の部署で別々にサービスが管理されています。そして、それぞれのサービスのデータは統合されることなく、チャネルAで実施したことと、チャネルBで実施したことに矛盾が発生することも容易に発生します。
これは、MarTechにてDavid Raabが行った下のプレゼンでも説明されています。
How Customer Data Platforms Solve Enough To Be Interesting
こうしたデジタルマーケティングの課題から、CDPの認知が徐々に始まり、2016年のMarketing Technology LandscapeではCDPというカテゴリが作られており、その時には下記のベンダーが名前を連ねていました。
- https://www.blueconic.com/
- http://www.qubit.com/
- http://www.selligent.com/
- https://www.getlytics.com/
- http://usermind.com/
- https://www.omniata.com/
- http://sureshot.io/
- https://www.umbel.com/
- http://www.agilone.com/
- https://www.tagga.com/
- http://www.redpoint.net/
ちなみに、David Raabは現在CDP Instituteを立ち上げ、CDPの普及活動をしています。
CDP Insitituteでは、CDPを下記のように定義しています。
「"A Customer Data Platform is packaged software that creates a persistent, unified customer database that is accessible to other systems" -> "Customer Data Platformとは、他のシステムからアクセス可能な永続的な顧客統合データベースを作成するパッケージ化されたソフトウェアである。"」
次の記事では、CDPのより詳細な構成要素について紹介していきます。
余談
日本ではあまり馴染みがないですが、グローバルではGartner、Forresterといった調査会社が、プロダクトのマーケットを開発していく上で非常に大きな役割を持ちます。 皆さんも外資系サービスを使っていると、アナウンスでGartnerのXXXXXに選ばれました!といって下のような図を紹介しているケースをみることがあるかと思います。
世界中に数多くのサービスがあり、多種多様な機能があるときに、一企業が自分たちで全てを比較検討するのは非常に困難です。 そのため、調査会社が色んな会社とコミュニケーションをとったり、ユーザインタビューをすることで、比較資料を作り、そうした資料を元に顧客企業がサービスを検討する、というのがグローバルでの一般的な流れです。
それ以外にも調査会社は、調査を元にどういったマーケットができているのかというカテゴリをまとめます。こうしたカテゴリの一つが、Data Management Solutions for AnalyticsだったりCustomer Data Platformだったりします。このカテゴリが作られることによりサービス企業はどのマーケットに属しているのか、ということを明確にすることができ、顧客企業は自分たちの取り組みに合ったサービスを認知し、調査会社から紹介を受けたりしながら選ぶことができます。
つまり、こうした調査会社に取り上げられることが、マーケットでの認知の大きな一歩であり、B2Bにおけるマーケティングチームの大きな役割の一つでもあります。
皆さんが利用しているサービスの担当者から、ガートナーのインタビューに協力してもらえませんか?ともしも聞かれたら、利用しているサービスの将来の発展のためにもぜひ協力してあげてください!