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BubbleIQ + ZendeskでSlack上のサポート対応を効率よくする

普段のサポートの前提

  • サポート方法として、Email / Online Chatによるサポートを行なっている
  • サポートツールとして、Zendeskを利用している

背景

Slackが多くの会社で当たり前に使われるようになり、メールよりも様々なトピックや様々なメンバでの会話がしやすいことから、SalesやSales Engineerのon-boardingプロセスの中でも便利に使われるようになっている。特に、顧客との密なコミュニケーションの場所としてSlackチャンネルを作り、導入の支援を行うケースが増えてきている。その一方で、Sales Engineerは基本的には外出も多く、チャットに常に対応できるわけではないため、サポートチームで質問に回答するケースも多くある。

こうした中で、Slackでサポートすることへの4つの課題が見えてきた。

  1. チャンネル数増えすぎ問題
  2. チケット化二度手間問題
  3. 緊急時の対応問題
  4. KPI問題

1. チャンネル数増えすぎ問題

当然のことながら、Slackチャンネルには入らないとメッセージには気づかないので、チャンネルに未参加のサポートメンバはサポートできない。 チャンネルに入る数が多くなった結果、数十のチャンネルに参加状態となり、軽い気持ちで既読して後でやろうと思うと、どのチャンネルだったかがわからなくなることがある。

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(イメージ図)

2. チケット化一手間問題

オペレーションが必要な問い合わせやバグ報告など証跡が必要なものについては、Zendeskでチケット化し、あとで顧客が参照したり、こちらで修正報告ができるような形にしている。 その結果、チケットを作るために、Slackのメッセージをコピペしたりして、一手間かかってしまうことが、すこし面倒だった。

3. 緊急時の対応問題

1番にもかかるが、チャンネルに入っている人以外はメッセージに気づかないため、顧客環境での障害があって顧客からの緊急ヘルプ連絡だったのに、Slack内のメンバが誰も気づかない可能性が懸念された。特に週末とか。また、SlackでSLAを定義するのが難しいという点もあった。

4. KPI問題

Zendesk / Jira / Salesforceを使ったトレジャーデータのカスタマサポートの見える化で書いたが、

blog.torut.tokyo

Zendeskのチケットに関してはチケットについては種々のタグによりKPIダッシュボードの構築の取り組みを行なっている。しかし、Slackの質問については全てチケット化すると、一手間なため、チケット化までしていないものも多くあった。 また、Slackのメッセージを全てTreasureDataにあげ、またサポートしたら:support:というiconをつけることでとりあえず件数だけは可視化できるようにはしていたが、 どんな種類の質問だったかといったカテゴライズをするための情報を付与することまではできなかった。 そのため、サポートの活動度の測定や問い合わせ傾向に応じた改善といった取り組みに生かすことができない状態となっていた。

f:id:toru-takahashi:20171123122839p:plain (Slackでのチャット総数やサポート件数のKPI)

どう改善しているのか?

これらの問題点を解決するために、BubbleIQ(https://www.bubbleiq.com/)というBotサービスを導入して試している。 BubbleIQはZendeskの有料アドオン(https://www.zendesk.com/apps/support/bubbleiq/)としてローンチしたてではあるが、Slackの会話とZendeskのTicketを同期させるためのBotを提供してくれている。 f:id:toru-takahashi:20171123122900p:plain

具体的にBubbleIQができること何かと言うと、

  1. 顧客がSlack上で、 /support <問い合わせ内容> と打つと、サポートチケットを起票してくれる。
  2. 顧客または他のメンバがメッセージに :key: のリアクションをつけると、サポートチケットを起票してくれる。

サポートチケット起票後、BubbleIQがスレッドを開くので、顧客はスレッドに返信することでチケットの内容をアップデートできる。 その一方で、サポートメンバはZendeskに起票されたチケットに対して、Zendesk上で返信をかえすことができ、その返信はスレッドに書き込まれる、 という非常にシンプルなものになっている。 しかし、この機能が非常に重要でこれによって前述の4つの課題を解決することができる。

  1. チャンネル数増えすぎ問題 → BubbleIQのbotをチャンネル開設時に招待しておくだけ。
  2. チケット化二度手間問題 → /supportコマンドで起票してもらうか、Sales/Sales Engineerに :key: で起票してもらう。
  3. 緊急時の対応問題 → チケット名に緊急用ルール付けを行う。
  4. KPI問題 → Zendeskにチケット化されるので、同様に行える。

ということでこのシンプルな機能でも、十分に問題を解決することができる。 今の所、Slack側からのメッセージは安定して同期できているが、Zendesk側からの同期がたまにおそいときがあったりするので、様子を見つつ使っている。 しかし、BubbleIQのメンバの方も親身に対応してくれているので、良い感じである。

補足: そもそもなぜSlackでサポート対応しているのか?

そもそもSlackでのサポートはせず、Emailやonline chatで質問してください、と顧客に依頼するのも一つの手かもしれない。 しかし、顧客にとってコミュニケーションチャンネルが数多く存在し、場面によって強制されるのは混乱するし、顧客にとってやりやすい形を選択できるのが望ましい。 また、不便を強いることによって物事を解決するのは負けた気がする。という個人的な気持ちも一つある。

まとめ

BubbleIQで、ZendeskとSlack間で会話できるようになって、ハッピー!!